忍者ブログ

Fickleness~三日坊主~

㊥壱さっくす吹き之ぃろぃろ日誌w

2024.05.06
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2007.11.27
「痛っ・・」

俺はうっすらと目をあけた。

視界には、車や道路、クラスメイトの姿は全くなく、
白い壁で少し薬のようなにおいがあった。

ここは・・・どこなんだ?

俺は自分の体を見た。パジャマを着て手には点滴がされ、
ベッドに横になっていて、心拍数を計るものが置いてあった。
このとき初めて俺が病院にいるということを悟った。
とりあえず、ナースコールをした。
何分か経ち、看護婦さんがやってきた。

「聡汰くん、よく目が覚めたね。」

「えっ・・俺はどうしてここに・・。」

「覚えてないかな?5年前に突然意識不明になって、
 病院に運ばれたんだけど、ずっと眠ってて、
 特に異常はないみたいだから、家に帰るはずだったんだけどね。
 危うく心臓が止まりかけちゃって、入院することになったのよ。
 もう、植物状態だったんだから。」

「はっ・・はあ・・。」

俺は・・夢を見ていたのか・・?
未麗が死んだことも・・・実は生きてて殺されかけたことも・・・。

「今、家族の人に連絡とるから寝てていいよ。」

「・・・は・・い・・。」

じゃあ・・今・・・未麗は一体・・・。

それから10分ぐらいの時間が経ち、家族が来た。

「聡汰!生きてて良かった・・・」

「ずっと待ってたんだよ・・!!」

俺は自分が入院してたことも覚えてなかったけど、
泣きながら、親にいわれると、これが現実なんだなって、少し思った。

「聡汰知らないかもしれないけど、未麗ちゃん、今日が釈放だって。」

「釈放・・?」



『バンッ!』

その時ドアを開くすごく大きな音が俺の病室に鳴り響いた。


「聡・・・汰・・・?聡汰・・・!!会いたかった・・・」


この声・・この顔は・・・未麗・・・・!!


「未麗?」

「聡汰!!!!」

そういうと涙を流しながら未麗が、俺のベッドにあがってきた。


「俺・・・・夢ん中で、めっちゃ未麗と会った・・」

「本当に?うちも・・・・・・」

「でも・・俺は・・・未麗に殺されかけてた・・」

「・・・うちも、聡汰と同じ夢見た・・。
 車が多く通る高速道路に聡汰を突き飛ばした・・。
 うち、本当に人殺しかけたから・・。」

「えっ?」

「クラスメイトのこと、カッターナイフで切り裂いた。
 また、いじめられるって思ったら怖くて・・。
 聡汰が学校に来てたら、もしかしたら殺してたかもしれない・・。」

「そんなことが・・・」

「うち、これからどうすればいい?」

未麗がそういうと、周りが少し静まった感じがした。少しの時間が経った。

「母さん、父さん、俺、未麗と外庭行ってくる。」

「・・わかった。」

─外庭。

俺は車椅子に乗り、未麗に引いてもらいながら少しずつ進んでいた。

今は、春。ちょうどよい暖かさの季節。

俺と、未麗は、その春の暖かさを感じながら桜並木を進む。

「未麗」

「ん?なに?」

「俺、未麗に、本当ひどいことしたな。」

「えっ?なに急に;;」

「俺・・さ・・」

「うち、全部知ってたよ。聡汰、手紙読んでないでしょ?」

「?」

「ポケットに入ってるじゃん。せっかくだし読んでみて!」

未麗にいわれ、俺はパジャマのポケットに手をいれた。

すると、見覚えのある封筒に入った手紙が出てきた。

「これは・・・」

「ちょうど5年前ぐらい、最後に会った日に渡したの。」

俺は、ゆっくりと手紙を開き、読んでいった。
PR
Post your Comment
Name
Title
Mail
URL
Select Color
Comment
pass  emoji Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Trackback
この記事のトラックバックURL:
  BackHOME : Next 
ランキング参加中


ブログランキング・にほんブログ村へ

1クリックお願いします!
プロフィール
HN:
海乃帆立
性別:
女性
自己紹介:
HP開設日:2005年4月18日
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
メニュー

人目★

創作・お題配布

交代日記(あめた)

同盟

コメント
(10/27)
(06/18)
暇つぶし

バーコード
参加同盟

Fickleness~三日坊主~ wrote all articles.
Powered by Ninja.blog / TemplateDesign by TMP  

忍者ブログ[PR]